共同注意の発達

コミュニケーション行動の初期発達過程

8~18ヶ月時点の一次調査の結果をクラスター分析と共分散構造分析したところ、共同注意の発達は4つの段階があることが分かりました。
(図3参照)

【注意の追従】
初期の過程では、移動運動の発達や、手によるものの操作の発達に促されて、乳児は他者の視線(つまり意図)を感じて、その視線の後追いをするなど、他者の注意に追従する段階が生まれます。

【行動の追従】
その後、他者から促されて物をもらったり、差し出されたりをする行動や、単純な動作の模倣をするなど、他者の行動を追従する段階を迎えます。

【注意の操作】
次に、自ら指さしして他者の注意を操作し、欲しいものを手に入れようとしたり、関心や興味ある事物に他者の注意をひきつけようとするような段階に入ります。

【行動の操作・シンボル形成】
さらにその後の段階では、簡単な有意味語を話したり、絵本の中の動物の名前を言ったりするだけでなく、他者が痛みを生じる出来事が起これば心配そうな表情を示したり、肩を優しく撫でるようないたわり行動を示すような段階に達する事が分かりました。

このような発達過程の中で、コミュニケーション発達において、9~10ヶ月にかけて(【注意の追従】から【注意の操作】に至る過程で)、子どもは急激な発達を遂げることが分かりました(『9ヶ月の奇跡』(Tomasello, 1993))。その急激さは、まるで切り立った「発達の崖」を一気に登るかのようです。
そして後の調査から、この「発達の崖」を上手く登ることができない子どももいることも分かりました。このような、「発達の崖」を登り切れなかったこどもへの、適切な支援が望まれます。

図3 コミュニケーション発達のメカニズム

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